マロ子自伝
第一章
「命を削る」
今からもう10年近く前ですが
マロ子の現役時代のお話です
プレイが終わるまで
ピンっと神経を張り続け
プレイが終わってから
シャワーを出しに行く時
この時だけが
一人安堵に包まれる瞬間でした
滝のようにざあざあと熱湯を流し
腕や胸などオイルやローション
お客様の体液をバシャバシャ
洗い流します
冬の寒さに 手足が痺れる
1月の真冬。夜も更けた午後22時30分
ネオンが煌めく歓楽街の裏道にある
古いホテルの一室
錆びれながらも小綺麗に掃除された
ラブホテルの浴室
霞んだ鏡にうつる マロ子の顔
まるで魂が抜けたかような
ホッとしたような
ただただ無心に手を洗っていました
手元はモクモクと
煙幕のように慌ただしく湯気がたち
冷えきった手も心も
じわじわと 温まって
腕まで真っ赤になるくらい
洗いながらも
漠然とした不安 が渦巻いていました
「なにやってんだろ・・・」
負のエネルギーが 自分からこそげ堕ち
錆びた排水溝が 飲み込んでくれている
そんな気さえしました
無意識からくる焦りがあったのかもしれません
「おおい!!マロ子ちゃん!もう風呂入っていい~?」
遠くのほうから、甘ったれた声にハッと
我にかえり
ああ、そうだった
カビと下水の臭いがするホテルに
お客様と二人きりだった
することは1つなのだからと
余計なものがない その「箱」は
ヨガリ声も叫び声も 甘ったれた野太い声も
よく 響く
今は
今この時だけは
一人にしてくれよというように
深いため息を出来るだけ
胸に押し付け
音を殺し
はぁー……と 深呼吸
「あ!は~~い!今いきます~!」
ギュッと 力を込めて 蛇口を閉める
色白な柔かい肌は 肘まで
熱を帯びて赤く染まりヒリヒリする
ピピピピ
「時間終了」の合図
救いのタイマー電子音が部屋中に
鳴り響き
「やっと終わった…」
湧き立つ湯気から顔をあげる
手を洗うとゆう行為よりも
マロ子にとって
手を洗っているとゆう空間が
唯一無二気を抜ける時間だったのです
丁寧に作りこまれた化粧が
熱気と汗でじっとり 滲んでいる
「みんな…男はみんな死ねばいいのに」
蚊の泣くような 声で 呟いたの覚えています
鏡に写る マロ子の顔は ひどく歪んでいました
気を取り直し
先程とは別人のように
とびっきりの笑顔で
お客様の元へと駆け戻ってゆき
陶器の様な艶やかな頬を赤く染め
(ええ、自分でいいますとも)
「あぁん!かんにんえ〜?
さみしかったぁ?お待たせえ〜♡」
などと言ってみせ
恥ずかしそうに 上目遣いで
与えられた 源氏名の役になりきってみせた
使い古された イチゴのタイマーは
時間の終わりを告げるのでは無く
もう、命を削らなくていいよ
と
心に呼びかけてくれている様に感じていました
どんだけ嫌やってん!って話(笑)
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